産後の過ごし方 〜疲労回復&新しく生まれ変わる 

女性にとって「産後」は、ヴァータを整えることが重要な時期です。

産後は、今まで赤ちゃんがいた腹部の空間に大きな空洞ができることや、

長時間の陣痛の痛みに耐え、体力を消耗した状態であることから、

ヴァータが大きく乱れた状態になります。また、産後すぐから朝晩関係なくお世話が必要な赤ちゃんを見守ることになるので、睡眠も途切れがちになります。これもまたヴァータを乱す原因になります。

産後の母親はとても疲れていますが、

「疲労回復の6週間(42日間)の過ごし方」次第で、からだが新しく生まれ変わるよいチャンスとされています。産後の過ごし方次第では、人によって妊娠する前よりも健康的になる人もいます。

ヴァータを整えるために、アーユルヴェーダ的には、

・部屋を静かに暗く保つ

(大きな音、嫌な音を避けます。気分を害するような情報を取り入れないようにしましょう。悲しいこと、暴力的なこと、刺激的なことは避けます。普段からテレビをよく見る家族でも、産後の女性がいる部屋ではテレビのつけっぱなしは避けたほうがいいです)

・できるだけ安静にする

(赤ちゃんが寝ている時は、自分も横になり体を休めます。赤ちゃんとの絆を深める時間を大切にしましょう)

・携帯を使わない

(産後はできるだけ目を使わないようにします。携帯やパソコンで目を使いすぎないようにして、強い光の刺激を避けましょう)

・面会者を調整する

(気を使ったり、お話しすぎたりすることで体力を消耗しヴァータが乱れます。気持ちを乱すような嫌いな人や苦手な人は避けるようにしましょう)

・あたたかいスープ類を多くとる

(あたたかいスープは、ヴァータの鎮静に効果あります。

また、母乳を出すことで母親の身体は水分不足になりがちなので、飲み物だけでなく食べ物でも水分補給をすることが大切です。女性の体内に水分が不足すると、便がでにくくなって、便秘や痔になりやすくなるので注意が必要です)

・髪の毛をすぐに洗わない

(頭部は子宮と繋がっているという考えがあります。産後、収縮している途中の子宮に刺激を与えないためにも、出産後はできるだけ洗髪を避けた方がよいとされています)

・重いものを持たない

(重いものを持つと、産後で不安定な状態の骨盤に負担がかかります。腰痛の原因になるので、赤ちゃんより重いものは他の人に持ってもらうのがよいです)

・冷たいものに触れない

(冷たいものに触れることは、冷たい食べ物や飲み物の摂取はヴァータを乱します。特に冬場に冷たい水をつかった食器洗いなどは避けてください。)

以上のことが、産後の体をケアするために大切なこととされています。

個人的にはわたしは産後に、音に過敏になりました。

当時住んでいた土地は、週2回、早朝にゴミ収集車が流す音楽があったのですが、その音楽が四六時中聞こえているような気がして、「あっゴミの日?え?何曜日?いま朝?夜?」というのが頭の中で繰り返し、自分でも止められなくなりきつかったのを覚えています。

ヴァータを整えるためにはオイルトリートメントも効果抜群です。

インドでは、産後は、オイルトリートメントを受けることが理想的とされています。

出産で疲れた筋肉を癒すだけでなく、お布団で動かず安静にしている状態でも、

マッサージの適度な刺激で筋肉を保つことができます。

私は産後に薬草ボールを使った施術を受けたのですが、筋肉を温めて刺激してもらったことで、浮腫や筋肉痛がすっと抜けて生き返ったような気持ちになりました。マッサージのありがたさをしみじみ感じるよい経験でした。

マッサージができるセラピストが見つからない場合は、産前に自分の体質に合ったオイルを準備しておき、家族にオイルを塗布してもらうのもおすすめです。産後すぐに授乳がはじまりますが、背中にオイルを塗布して優しくほぐしてもらうと、母乳の出がよくなることが多々あります。

出産直後は、ホルモンの関係で気持ち的にもハイになり、「これくらい大丈夫〜」と思いがちです。

ですが、産後のケアがうまくいかなかった場合、体力がなかなか回復せず、疲労感、うつ、便秘などのヴァータの乱れがでます。

無理を続けると、のちのち鬱や慢性疲労の原因になると言われています。

出産はとても大きな出来事です。

これからの元気に子育てをするためにも、

赤ちゃんとのんびりゆっくりお過ごしください。

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